日本では国語教育の一環として小学校低学年時にローマ字を学習します。
パソコンの普及でローマ字入力をする機会が増え、大人になってから改めて学習し直したという方も多いかも知れません。
また、外国人観光客の増加と共に地名、駅名など町中にローマ字表記が増えてきています。
でも実はこのローマ字表記は外国人によっては正しく読むことができないのをご存知ですか?
今回はポルトガル語を例にとって「ブラジル人にローマ字は通じない?」お話をしたいと思います。
ローマ字とポルトガル語の「R行」の発音の違い
ポルトガル語で「r」は基本的には日本語の『ハ行』に近い発音です。
例えば『尻尾』の意味の「Rabo」はローマ字読みをすると『ラボ』とですが、正しいポルトガル語の発音は「ハボ」。
ブラジルの有名なサッカー選手で「ロナウジーニョ」という選手がいましたが、ポルトガル語の表記は「Ronaldinho」で、発音は「ホナウジーニョ」となります。
『ホッポンギ』?『ホウンドウン』??
では、ここで皆さんに問題です!
『ホッポンギ』は日本のある地名のローマ字表記をポルトガル語読みしたものです。
さてどこだと思いますか?
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正解は『六本木(Roppongi)』です!
日本に来たばかりのブラジル人は必ず「ホッポンギ」と発音します。
では次は難易度高めの問題。
「ホウンドウン」はどんなお店でしょうか?
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正解は『ラウンド ワン(Round 1)』!!
これは私が実際に体験した話で「ホウンドウンに行かない?」とブラジル人の友達に誘われたことがあります。
どうやら彼は『Round』をポルトガル語読みして「ホウンド」、そして『1』はそのままのポルトガル語で「ウン」。合わせて「ホウンドウン」と覚えたようでした。
当時、私はよく分からないまま『あ、あ・・いいよっ!』と言ってしまいましたが、現地に着くまでどこに連れて行かれるのか分かりませんでした。
ちなみにファミレスの『Royal Host(ロイヤルホスト)』を「ホイヤルホスト」と読むブラジル人の友達もいました。

写真はラウンドワンのHPより ※https://www.round1.co.jp/service/bowling/index.html
全ての外国人が英語教育を受けているとは限らない
デカセギとして来ているブラジル人は、残念ながら日本の高校受験レベルの英語教育すら受けていないことが多いです。
もちろんこれはブラジル人に限ったことではありません。
以前、私が一緒に働いていたネパール人に「オイル(oil)」という言葉が通じなくて困ったのですが、日本語で『あぶら(油)』というと理解してくれました。
彼は日本語学校でその単語を勉強したとのことでした。
日本語には外来語やカタカナ英語が多く存在し、日常生活でも英語に触れる機会がありますが、他の国が学校教育以外に英語を母国語の中に積極的に取り入れているとは限りません。
外国人だから英語ができる、アルファベットのローマ字が読めるというのはある意味で偏見なのかも知れません。