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新型コロナウイルス(COVID-19)ブラジルでの感染情報|南米特有の感染経路とは

2020年2月28日

世界的に猛威を振るいつつある新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者がブラジルでも確認されました。
ポルトガル語では「Coronavírus」と表記されます。

今回の記事ではブラジル初の新型コロナウイルスの感染者について情報やメディア報道、心配される南米特有の感染経路などについてお話をしたいと思います。

感染者数と地域の最新情報については下記の記事をご覧ください。

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【最新情報】新型コロナウイルス(COVID-19)ブラジルの最新の感染者数と地域、国の対応、フェイクニュース

目次

【最新情報】新型コロナウイルス(COVID-19)ブラジルの最新の感染者数と地域、国の対応、フェイクニュース

新型コロナウイルス(Coronavírus)についてのブラジル国内のニュースや国の対応などの情報を随時更新。最新の国内感染者数と地域。感染と死亡が確認された南米の国。経済、スポーツへの影響。新型コロナウイルス関連の法令やフェイクニュース。

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ブラジルの新型コロナウイルスについての情報

2月26日にブラジルで最初の新型コロナウイルスの感染者を確認

ブラジルで最初の新型コロナウイルスの感染が確認されたのはサンパウロ(São Paulo)在住の61歳の男性。

2月9日から20日にイタリアのロンバルディア(Lombardy)地方を仕事で訪れていました。
イタリアはヨーロッパの新型ウイルス感染拡大の中心地になっており、その中でもロンバルディアはすでに死者もでるなど感染被害の大きい地域。

日本の厚生労働省にあたる「ブラジル保健省(Ministério da Saúde)」の発表によると、男性はパリにも立ち寄った後、2月21日にブラジルに帰国し、23日に最初の症状を示す発熱や咳、のどの痛みなどを訴えたとのことです。

感染の疑いがある人は1日で20名→132名に(2/28現在)

新型コロナウイルスに感染が確認された1名以外に、2月28日現在でブラジル国内には132名の感染の疑いがある人々がおり、治療と経過観察中とのこと。
また、この132名のうち半数近くの55名が人口が最も多いサンパウロ在住であることが分かっています。

ブラジルでの初めての新型コロナウイルスの感染者が見つかったと発表があった26日の時点では感染の疑いがある人数は20名でした。
そして、翌27日にはこの人数が一気に6.5倍以上の132名となりました。

これは報道で不安になった市民が医療機関に押し寄せたと考えられ、ブラジル保健省の発表でも初期の60名の疑わしい症状のうち、41名(68%)は新型コロナウイルスと症状が良く似たインフルエンザなどの他のウイルス性疾患だったと発表しています。

この記事末に「ブラジル国内の感染者と感染の疑いがある人がいる地域」の地図を掲載していますので、ご参考ください。

ブラジルメディアの報道

新型コロナウイルスについてそれほど多くの報道をしてこなかったブラジルメディアも、国内で感染者が確認された2月26日にはこぞって予防に関する関連記事などを掲載しています。

ただ、各紙のインターネット版を見ても、現時点では「それほどパニックになる必要がない」との専門家の話がほどんど。
マスクの着用についても感染者と感染が疑われる患者や濃厚接触者、および医療関係者にのみ推奨するとのでした。

普段からマスクをする習慣がブラジルには無いので、予防よりも感染拡大を阻止するための着用を伝える記事が多く見られました。

心配される南米特有の感染経路

ブラジル全土や南米大陸への感染拡大が心配される新型コロナウイルスですが、今後は南米特有の習慣による感染経路を考えなくてはなりません。

挨拶代わりのハグやキス、握手の習慣

ブラジルでは挨拶として、ハグやキス、握手をする習慣があります。
個人的にはこの習慣が日本や中国などのアジア圏とは違った感染経路になるのではないかと思います。

メディアでも、ハグやキスを自粛するようにと注意を促してはいますが、習慣として身についたものを急に止めるのは人間関係においても難しいのではないでしょうか。

手で食べたり食事をシェアしたりする習慣

ブラジルでは骨付きの鶏肉やサウガジーニョと呼ばれる軽食など、手で食べる料理も多くあります。
また、友人や家族で料理をシェアしたり、飲み物を回し飲んだりすることも日本以上に一般的です。

残念ながら手洗いやうがいのような基礎的な予防医療に対する知識や意識は低いということも合わせると、感染経路を増やす一因になります。

カーニバルなど人が密集するイベント

2月29日にはリオのカーニバルでチャンピオンパレードが開催され、多くの人が密集した場所で長い時間を過ごすことになります。

この時期に合わせて観光で訪れる人も多く、ここで感染した人がブラジル全土、もしくは南米大陸全土へと帰り、感染を拡大させる可能性も否定できません。

無保険者は病院にも行けない(行かない)

ブラジルは日本のような国民皆保険の制度はなく、無保険の人も多くいます。

例え保険に加入していても医療費が高額であることが多いので、そもそも感染の可能性があっても病院に行けない(行かない)人が多いのも問題です。

糖尿病、高血圧の多いブラジル

高齢者糖尿病高血圧などの持病がある人は、新型コロナウイルスで重篤患者や亡くなる確率が高いそうです。

実はブラジルも高齢化社会
すでに人口増加率の4.5倍のスピードで高齢者が増えています。

また、ブラジルの糖尿病患者数は1500万人とされ、世界のワースト4位、日本の5倍近くの人数になります。

成人の1/3が肥満などが原因で高血圧だという調査結果もあり、もしブラジルで新型コロナウイルスの感染が拡大すると、これまで以上の死亡率になる可能性があります。

ブラジル国内の感染者と感染の疑いがある人がいる地域

下の地図はブラジル国内の感染者と感染の疑いがある人がいる地域の地図です。
地図の上にカーソルを置くとその週の「感染者数(Caso Confirmado)」と「感染の疑いがある人数(Caso Suspeito)」が分かります。
人数は自動更新されますので、この記事と情報が異なる場合があります。
※AMPページなど、下記の地図が正しく表示されない方はこちらをご覧ください。

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