ポルトガル語講座

ポルトガル語でOMS、EUAってなんの略?日本や英語とポルトガル語で略称の異なる国や団体、国際機関

新型コロナウイルスのニュースなどで見聞きすることが多くなったWHO(世界保健機関)。

「世界保健機関(World Health Organization)」という正式名称よりも略称の「WHO」が根付いていますが、実は言語によって略称に違いがあることをご存知でしょうか?

例えば、ポルトガル語で「WHO」は「Organização Mundial da Saúde」となり、略称は「OMS」。
フランス語、スペイン語でも同様に「OMS」の略称が一般的です。

単純に言語(単語)の違いだけではなく、文法的な違いも相まってこのように略称が全く違ったものになることがあります。

WHOとOMSが同じ団体とは思えないですよね?

下の画像はUOLというブラジルのポータルサイトのニュースページです。
WHOではなく、OMSの略称が使われ、見出しには『OMSが世界で23万4千人の新型コロナウイルスの感染者を記録した』と書かれています。

ニュース記事でもOMSの略称が使われています

ニュース記事でもOMSの略称が使われています

今回は日本や英語とポルトガル語で略称の異なる団体国際機関についていくつかをご紹介していきたいと思います。

目次

英語とポルトガル語で略称が違う「国名」

アメリカ合衆国(USA)は「EUA」

USA」と聞くと誰もがアメリカ合衆国のことだと分かりますし、正式名称の「United States of America(ユナイテッド ステイツ オブ アメリカ)」も耳にすることが多いと思います。

ではポルトガル語でアメリカ合衆国はどうなるでしょうか?

 

正解は「EUA=Estados Unidos da América」です。

ここでの「Estados」は『州』、「Unidos」は『連合』の意味。
英語の「United States」の部分がポルトガル語では「Estados Unidos」と語順が反対になっています。

発音は「エスタードス ウニードス ダ アメーリカ」で、最後の「América」の「-mé-」にはアクセント記号があります。
もちろん略称もポルトガル語読みなので「ユーエスエー」ではなく「エーウーアー」です。

欧州連合(EU)は「UE」

欧州連合(EU)の英語での正式名称は「European Union」。

先ほどのUSAと同様にポルトガル語では単語の語順が反対で英語の「European Union」は「União Europeia」となり、略称は「UE」となります。

ポルトガル語でEUは「UE」

ポルトガル語でEUは「UE」
※yahoo.com.brより

アラブ首長国連邦(UAE)は「EAU」

世界有数のリゾート観光地ドバイがある「UAE(アラブ首長国連邦)」。
サッカーファンの間では、アジア地域の強豪国としても認知度が高いと思います。

UAEの正式名称は「United Arab Emirates」。
英語の「Emirates」は少し聞きなれない単語ですが『首長国』の複数形です。

そして、ポルトガル語でUAE(アラブ首長国連邦)は「Emirados Árabes Unidos」で、略称は「EAU」となります。

英語で「UAE」、ポルトガル語では「EAU」とは何とも紛らわしい違いですね。

英語とポルトガル語で略称が違う「団体」や「国際機関」

OPEC(石油輸出国機構)は「OPEP」

石油輸出国機構の略称「OPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries)」。

ポルトガル語では「Organização dos Países Exportadores de Petróleo」と表され、略称は「OPEP」で「オペッピ」と発音されます。
「Países」は『国』、「Petróleo」は『石油』の意味です。

ブラジルは中南米最大の原油産出国で、近年、深海油田の開発が急速に進んでいます。
ボルソナロ大統領もOPEC(OPEP)加盟に積極的な発言をするなど、同機構の盟主国サウジアラビアとの繋がりが強くなってきているようです。

ポルトガル語で「OPEC」は「OPEP」

ポルトガル語で「OPEC」は「OPEP」

IAEA(国際原子力機関)は「AIEA」

ブラジルも加盟するIAEA(国際原子力機関)、英語での正式名称は「International Atomic Energy Agency」。

ポルトガル語では「Agência Internacional de Energia Atômica」となり、略称は「AIEA」です。

余談ですが、『原子』はブラジルのポルトガル語で「Atômica」、ポルトガルのポルトガル語ではアクセント記号が異なり「Atómica」と綴られます。

ブラジル国内にはリオデジャネイロ州に「アルミランテ・アルバロ・アルベルト原子力発電所(Central Nuclear Almirante Álvaro Alberto)」があり、現在は2基の原発が稼働しています。

1984年から3基目の建設が始まりましたがブラジルの経済不況により数年で中断され、2010年に工事が再開されるも、現在まで完成していません。

その他の英語とポルトガル語で略称が違う「団体」や「国際機関」

その他、英語とポルトガル語で略称が違う「団体」や「国際機関」は挙げだすとキリがありません。

  • IMF(国際通貨基金)/ International Monetary Fund
    ポルトガルでは「FMI=Fundo Monetário Internacional」
  • NGO(非政府組織)/ Non-Governmental Organizations
    ポルトガルでは「ONG=Organização Não Governamental」
  • UN(国連・国際連合)/ United Nations
    ポルトガルでは「ONU=Organização das Nações Unidas」もしくは「NU=Nações Unidas」

英語とポルトガル語で略称が同じ「団体」や「国際機関」

今度は英語とポルトガル語で略称が同じ「団体」や「国際機関」をいくつか挙げてみます。

FIFA(国際サッカー連盟)

FIFA(国際サッカー連盟)の正式名称は「Fédération Internationale de Football Association」。
スイスに本部のある団体ですので名称はフランス語になっています。

フランス語もポルトガル語も共にラテン語から派生した言語。
語順や単語などが似ており、ポルトガル語で「FIFA」は「Federação Internacional de Futebol Associado」となり、ブラジルでも略称は「FIFA」です。

でも、もしFIFAが英語圏にある組織だったら「国際サッカー連盟」の名称は「International Federation of Association Football」となり「IFAF(アイファフ)」と呼ばれていたかも知れませんね。

ちなみに、「Association Football」というのが『サッカー』の正式名称です。

UNESCO(国際連合教育科学文化機関)

UNESCO(ユネスコ)の正式名称は「United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization」。
日本語では『国際連合教育科学文化機関』と訳されます。

ポルトガル語でUNESCOは「Organização das Nações Unidas para a Educação, a Ciência e a Cultura」ですが、略称としては英語の「UNESCO」が新聞や各種メディアで使われています。

ただし、発音はポルトガル語ですので「ユネスコ」ではなく「ネスコ」です。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

WHOが「OMS」と全く違った略称になるもの以外に、UAEが「EAU」と一見しただけでは違いに気づきにくいものもありますね。

また、こうやって様々な略称を見ていると日本語での正式名称を知らないものが多いなと思ってしまいます。
「〇〇機構」なのか「〇〇機関」なのかだけでなく、UNESCOの「国際連合教育科学文化機関」は正直言って初耳でした。

学生の頃にもっと一生懸命、勉強しておくべきだったと…

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